事業引継ぎについて

会社の経営を後継者に引き継ぐ。これを、事業承継といいます。

近年、中小企業経営者の平均年齢は年々上昇しています。
また、今後多くの企業が事業承継のタイミングを迎えようとしています。

経営者の半数以上は廃業を予定している調査結果も出ており、
中小企業の減少に伴う地方経済の衰退が懸念されています。

長年、経営してきた大切な会社や事業を、いかにバトンタッチするのか。
事業承継は、経営者本人だけではなく、家族や、長年支えてくれた従業員、
取引先にとっても関係のある重要な問題です。

事業引継ぎ問題の背景

今後10年間で、中小企業の約半数が世代交代の時期に。
事業引継ぎ問題は、他人事ではありません。

最近20年間で、
経営者の高齢化が進行。

中小企業経営者の年齢のピークは、20年間で47歳から66歳に推移。
多くの中小企業にとって、事業引継ぎは目を背けられない課題であることを浮き彫りにしています。

経営者の平均引退年齢も、
大きく上昇。

経営者の引退年齢も、時代の変化と共に大きく上昇。小規模事業者では、70歳の大台を突破しています。
この背景には、事業を次の世代に譲りたくてもなかなか引継ぎ手がいないという現実もあるようです。

増加する親族外、
第三者への事業引継ぎ。

従来、9割以上の中小企業は親族に事業を引き継いでいました。しかし、現在ではその割合は4割以下に低下。
当たり前とされていた「親族が家業を継ぐ」という考え方が成り立たない時代になりつつあるのです。

経営者の高齢化、後継者不在を背景に
事業を次の世代に引き継ぐことが困難になっています。

事業引継ぎの課題

年間約7万社が、後継者不在を理由に廃業。
相談できず、多くの中小企業が廃業に追い込まれています。

後継者難は、黒字企業をも
廃業に追い込む。

後継者不在を理由に廃業する中小企業の数は、年間約7万社にのぼります。
一方で、廃業時の経営状況を見てみると、約5割の企業が経常黒字。
経営が順調であったとしても廃業に追い込まれるケースの多さがうかがえます。

意外と多い、
廃業のリスクと損失。

「後継者がいないのであれば、自分で会社をたためばいい。」そう考えるのは簡単。
ですが、「社員の雇用をどうするか」「取引先との関係をどうするか」「負債が残るケース」など、廃業にも多くのリスクが伴うことを忘れてはいけません。

後継者の育成は、
3年以上の時間がかかる。

中規模企業では9割以上、小規模企業では8割以上の経営者が、後継者を育てるには3年以上の期間を要すると答えています。その中でも5年以上10年未満と答えた層が最も多い。早めの対策が必要なのです。

先入観を捨て、第三者に引き継ぐという選択。

中小企業のM&Aの件数は年々増加傾向にあるものの、
約4割の経営者はM&Aに抵抗感を持っています。
これまで親族・従業員が事業を継ぐことが一般的であった日本において、
円滑に事業を引継ぐためには第三者に事業を譲るという視点を持つことも重要です。